私の奴隷になりなさい
これは、ベストセラーとなったサタミシュウの同題のＳＭ青春小説を、２９歳でグラビアデビューした“熟女グラビアアイドル”の壇蜜主演で映画化した官能ドラマ。
主人公は、出版社に勤務する青年。
イケメンにモノを言わせ、いい女と見れば手当たり次第に“落として”いたのだが、一目惚れした職場の先輩ＯＬの香奈には、再三のアタックにもまったく相手にされずにいた。
だが、ある日突然、香奈から「今夜、セックスしましょう」と誘われて・・・
この映画、何とも安普請の作りと、ビデオ撮り見え見えの艶のない映像に興ざめしましたが・・・そんなのは瑕疵に過ぎない、と言ってしまえる壇蜜の存在感にやられました。
確かに、これが映画デビューの壇蜜の芝居は上々とは言えないのですが、それでも、その肉体と艶技で見せるエロスには大満足。リリー・フランキーや福山雅治ら“好事家”も絶賛、と言うのにも納得出来ます。
緊縛、剃毛、二穴責めと、内容も過激なら露出度も高く、しかも、修正もＡＶ以上にギリギリ。
この映画、レイティングがＲ１５なのですが、「こんなの高校生に見せていいのか？」と言うエロさです。
ただ、物語的には、今ひとつ。
狂言回し役の“僕”の扱いもそうですし、“先生”が香奈から去って行こうとするのもいささか説明不足に終わった感じでした。
女ったらしを自認していた“僕”のセックスがいかに身勝手なものだったのかを思い知らされる描写を入れてもよかったでしょうし、“先生”が香奈の色香に嵌まって身動きが取れなくなる「ミイラ取りがミイラになる」展開から這々の体で逃げ出す、と言う、“攻守逆転”を盛り込んでもよかったのではないかと思います。
この映画、エロスの濃密度に対し、ドラマがあっさり仕立てになっている感じがあるのです。
ラストの台詞で“魔性”を見せた香奈。
この台詞を言葉だけで終わらせないよう、これは続編を作っても面白い・・・いや、開眼した香奈エロスを壇蜜主演ならもっと観たい、と言うニーズは確かにあるのではないでしょうか？
（２０１２年 １１月１７日 銀座 シネパトスにて）
（作品データ）
■監督
亀井亨
■出演
香奈 ・・・ 壇蜜
僕 ・・・ 真山明大
先生 ・・・ 板尾創路
（その他のキャスト）
古館寛治 西条美咲 美知枝 菜葉菜 石井明日香
海東健 高松泰治 ウダタカキ 草野イニ 杉本彩
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僕は奴隷に恋をした
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