踊る
大捜査線
ＴＨＥ ＦＩＮＡＬ
新たなる希望
これは、織田裕二演じる青島刑事の活躍を描く人気刑事ドラマの映画版、ファイナル。
青島刑事と言えば、自己紹介が「東京都知事と同じ青島です」だったのですから・・・そんな挨拶からもう１５年。
途中、映画版が日本実写映画最高の収益を上げるなど大人気となったシリーズも、これにて終幕です。
お台場の科学未来館で開催中の国際環境エネルギー展会場で誘拐事件が発生。
湾岸署の青島ら強行犯係は直ちに現場に向かい、犯人の手掛かりを追うが、その数時間後、被害者が射殺体で発見され、事件は殺人事件へと変わる。
しかし、青島ら所轄の刑事に知らされない事実があった。
犯行に使用されたのは警察が押収した拳銃であり、犯人は警察官の可能性が高い。警視庁と警察庁は、その事実を隠蔽するために身代わりを用意し、事態の収束を図るのだが・・・
今回の物語もまた、中心となるのは事件そのものよりも、警察内部の問題、と言う事に変わりはありません。
しかし、今回、犯人を警察官とし、事件を正に警察内部の問題としたことで、物語に一本、筋が通った感じ。
さすが、ファイナル、と言うことでしょうか、気合いの入ったシナリオで、見応えがありました。
湾岸署に捜査本部が立つことでの相変わらずのドタバタ、その中での弁当発注騒動や、ビールの誤発注、そして捜査本部の「戒名」作成など、小ネタのギャグを盛り込んで来るのは、これはもう「踊る〜」のお約束。
しかも、スリーアミーゴスまで乗り込んで来るのですから、なんともはや、です。
（まぁ、そこは「ファイナル」ですから・・・）
ただ、いただけなかったのは終盤の展開。
予告編で、青島の倒れるシーンに銃声を被せ、「まさか・・・！」と思わせたシーンが実はアレ、と言うのは拍子抜けしましたし、誘拐された真下の娘の監禁場所を見つけるのも行き当たりばったりで、ここはもう一工夫が欲しかったところ。
そして、クライマックス、犯人と対峙しているそこに大型バスが飛び込んで来るとは・・・！
これには、正に唖然で、口あんぐり。
確かに、派手な見せ場がひとつ欲しいとは言っても、これは、さすがに荒唐無稽の度が過ぎるでしょう。
これはひきましたねぇ・・・シリーズのファンもこれで納得出来るんでしょうか？
そして、最後、シリーズ通じての憎まれ役である警察庁長官と次官を辞職に追い込んで警察内部刷新を図る、と言うのは、確かに室井と青島が進めて来た事とは言え・・・それを仕掛けたのは、若手警察官僚の“自爆攻撃”で、トドメを刺したのは公安警察と言うのでは・・・主人公２人、形無しではないか、と感じました。
また、辞表を出した恩田すみれがどうなったのか、そして青島との関係は？など、画竜点睛を欠く結末は、何となくすっきりしません。
何だか、この「ファイナル」の後に、「エピローグ」としてもう１本ぐらい用意しているのでは？と勘繰ってしまいました。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
本広克行
■出演
青島俊作 ・・・ 織田裕二
室井慎次 ・・・ 柳葉敏郎
恩田すみれ ・・・ 深津絵里
真下正義 ・・・ ユースケ・サンタマリア
（その他のキャスト）
伊藤淳史 内田有紀 小泉孝太郎 北村総一朗 小野武彦 斉藤暁
佐戸井けん太 小林すすむ 甲本雅裕 遠山俊也 川野直輝 滝藤賢一
津嘉山正種 大和田伸也 大杉漣 香取慎吾 水野美紀 真矢みき 筧利夫
小栗旬
■Ｌｉｎｋ
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