最強のふたり
UNTOUCHABLE
これは、実話を元にしたフランス映画。
本国では記録的なヒットとなり、世界展開された各国での評価も上々。既に、ハリウッドでのリメイク話も進んでいるそうです。
失業手当ての給付を受けるため、介護士の仕事の面接に出かけた黒人青年ドリス。
それは、事故で全身麻痺になっている大富豪フィリップの看護人の求人面接。
ドリスは最初から面接に通ることを期待していなかったのだが、その不遜で横柄な態度を面白く思ったフィリップは、彼を雇うことにする。
住み込みの部屋は豪華で、フィリップの秘書は美人と、環境は悪くないのだが、全身麻痺の患者の介護の仕事は重労働で、偏屈なフィリップの性格もあって介護人が長続きしない職場だったのだ。
だが、ドリスは意外にも適性を発揮、フィリップもドリスの天真爛漫な性格を快く思うようになる。
こうしてスラム街に育った移民の黒人青年と、貴族の末裔である初老の大富豪の奇妙な交流が始まった・・・
バディムービーと言うジャンルの映画では、これまで様々な凸凹コンビが描かれて来ました。
男と女、金持ちと乞食・・・刑事と犯罪者、と言うのもありましたが、ここまで対照的なのはさすがに目新しいです。しかも、その違いっぷりがいちいち様になっているのがいい。
（ただ、ドリスが黒人と言うのは、映画の脚色で、モデルとなった介護人は白人だと言うことがエンドロールを見ると判ります）
その点で、このコンビは正に「最強」で、よくもまぁ、こんなエピソードを発掘して来たものです。
また、邦題も久々のヒットだと思います。
こんな２人のいい所は、そんなお互いの「違い」を常に真っ正面から受け止めること。
ドリスはフィリップの裕福さを「スゲぇな」と思いこそすれ、ねたみもせず、フィリップもまた、ドリスの貧しさを哀れんだりしません。
それは趣味についても同様で、フィリップの好みの音楽はクラッシック、ドリスの好みはロック。これらも、２人は上下をつけようとせず、イケてるか、そうでないかと言う話題に終始します。
こうして正面から向き合っていたせいで、やがて無学だったドリスが芸術を語るようになる、と言う描写もいい。
（やはり、朱に交われば赤くなるもの）
そして、やがて２人は、お互いに閉塞していた人生を変えるきっかけを与え、未来を変えていく事になるのです。
ひとつの出会いが、人生を変えることがある。そんな人生の可能性を描いたこの映画・・・更に、それが「事実」を元にしていると言うのですから、本当に素晴らしいものだと思います。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
エリック・トレダノ／オリヴィエ・ナカシュ
■出演
フィリップ ・・・ フランソワ・クリュゼ
ドリス ・・・ オマール・シー
（その他のキャスト）
アンヌ・ル・ニ オドレイ・フルーロ クロティルド・モレ グレゴア・オスターマン
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さぁ、人生に繰り出そう。
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