リンカーン弁護士
これは、マイクル・コナリーのベストセラーを映画化した、ミステリー仕立てのサスペンス。
法学部出身と言うマシュー・マコノヒーが腕利き弁護士を演じます。
高級車リンカーン・コンチネンタルをオフィス代わりにロサンゼルスの街を駆け回り、金次第で怪しい仕事でも引き受ける、腕利き弁護士のミック・ハラー。
その顧客は、バイカーや売春婦、ヤクの売人まで幅広い。
クルマの趣味は悪いし、弁護の手口も違法スレスレ。だが、罪なき者、弱き者を守る、と言う筋は通す男だ。
ある日、女性への暴行で逮捕された不動産王の御曹司、ルイス・ルーレを紹介され、金になる、と踏んで彼の弁護を引き受けたミックだったが、やがて、彼は、罠にはめられたことを知る・・・
これは抜群に面白い。
法廷劇は、訴訟社会のアメリカならではの得意分野で、数多くの映画がありますが、これは、その中でも群を抜いています。
とにかく、ストーリーがよく、ぐいぐいと引き込まれます。
どんな極悪の依頼人でも、一度、引き受けた以上は、守秘義務があり、何を告白されても、それを公には出来ません。
それをやったら弁護士の資格を剥奪される・・・でも、その弁護は、己の弁護士としての信念に反して、罪なき人に罪を背負わせる事になってしまう。
どちらを選んでも、もうやっていけない、と言う絶体絶命の危機を、悩んだ末に鮮やかに解決してみせる、このクライマックスにはしびれました。
伏線張りまくりのミステリー仕立てのストーリーをテンポよく見せ、数多く登場する人物にも全くムダがない辺りも見事ですが、その分、背景の説明や人物描写が不足する感があったのは難点と言えるでしょうが、主演のマシュー・マコノヒーを始め、前妻役のマリサ・トメイ（相変わらず、脱ぎっぷりがいい）、ウィリアム・Ｈ・メイシーなど、魅力あるキャストでそれをカバー。
また、シリーズ化や、ＴＶドラマ化も決まっているそうで、そうした部分は今後、描かれて行くことになるのでしょうか。
アメリカ映画のお家芸とも言える法廷ドラマの中でも第一級の出来映えのこの映画、これは文句なしのエンターテイメントです。
（２０１２年 ７月２０日 ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）
（作品データ）
■監督
ブラッド・ファーマン
■出演
ミック・ハラー ・・・ マシュー・マコノヒー
マギー ・・・ マリサ・トメイ
ルイス・ルーレ ・・・ ライアン・フィリップ
（その他のキャスト）
ウィリアム・H・メイシー ジョシュ・ルーカス ジョン・レグイザモ マイケル・ペーニャ ボブ・ガントン
フランシス・フィッシャー ブライアン・クランストン トレイス・アドキンス ローレンス・メイソン
マルガリータ・レヴィエヴァ ペル・ジェイムズ シェー・ウィガム マイケル・パレ
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