臨場
劇場版
これは、横山秀夫の同題小説を元にしたＴＶドラマの映画版。
恐らく、これが完結編と言う位置づけでしょうか？
都内で、無差別通り魔殺人事件が発生、４人が殺害される惨事となった。だが、犯人は、心神喪失状態にあるとされ、無罪判決が言い渡される。
通り魔殺人から２年・・・都内で弁護士の刺殺死体が発見され、警視庁検視官の倉石義男は、検死のため臨場する。
その２日後、神奈川県内で精神科医が殺害される事件が発生。２つの遺体に類似点があることを見い出した倉石は、同一犯の犯行と考えた。
同様に、警視庁捜査一課の立原も同様の見解に至っていた。
殺害された弁護士と医師は、２年前の通り魔殺人事件の犯人を無罪に導いた関係者だったのだ・・・
警察モノの映画は数あれど、現場検証を行う「鑑識」を主役にした映画は多くありません。
記憶にあるのは「相棒」のスピンオフ、「鑑識・米沢守の事件簿」くらいでしょうか？
この映画、その鑑識の中でも殺人事件など、変死体の検分を行う検死官を主人公に据えたドラマで、従来の警察モノとは一風変わったものになっています。
こうした着眼点は、新聞記者として様々な事件を目の当たりにして来た横山秀夫ならでは、と言う所でしょうか？
また、並外れた技量により、組織の中で規格外れになっている倉石と言う男のキャラクター設定も絶妙。
現実味のある、独特の存在感を見せていました。
元捜査一課の刑事を、警察監修の迎え、リアルに描かれる鑑識業務の描写も興味深いものがありました。
（ただ、通常、現場での検死は行われないと言うが・・・）
劇場版として、作品はスケールアップし、ＴＶ放送するのが憚られるような大量流血や凄惨な現場の描写も盛り込まれましたが・・・物語や演出がＴＶドラマそのままなのは痛い。
映画なのですから、ドラマをじっくり見せて欲しかったですし、その為に、もう少しストーリーは整理して欲しかった所。
（今回の物語は、２時間で描くには複雑に過ぎるのではないでしょうか？）
冤罪で息子を亡くした元刑事のエピソードは思い切って省き、その分、犯人の内面に踏み込むような描写があってもよかったように思います。
しかし、ひっかかったのは冒頭に描かれる倉石の末路。
内野聖陽のプライベートな問題で、ＴＶドラマ続編が絶望的な状況にあるとは言え・・・これはないんじゃないかなぁ。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
橋本一
■出演
倉石義男 ・・・ 内野聖陽
立原真澄 ・・・ 高嶋政伸
（その他のキャスト）
松下由樹 渡辺大 平山浩行 隆大介 辻谷嘉真 小林勝也 伊藤裕子
京野ことみ 益岡徹 段田安則 若村麻由美 柄本佑 菅原大吉 デビット伊東
土屋良太 魏涼子 春木みさよ 前田希美 浜田学 田中伸一 ヨシダ朝
増田雄一 前田健 荘田由紀 浅野雅博 平田満 市毛良枝 葵つかさ 長塚京三
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まだ、根こそぎ拾えてねぇ。
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