ＧＩＲＬ
ガール
これは、働く女性に人気に奥田英朗の同題小説を映画化したラブコメディ。
映画の方もやはり女性に人気で、観客の殆どは女性でした。
由紀子・聖子・容子・孝子の４人は、仕事も年齢も違うけれど、気の合う友達同士。
でも、それぞれに悩みを抱えていた。
由紀子は、３０歳を目前に、いつまでもおしゃれとファッションに夢中な“ガール”でいいのかと悩む日々。
大学時代からの腐れ縁の彼氏は、完全な現実主義者でトキメキを感じさせてくれないし・・・
聖子は、勤めている大手ゼネコンで課長に抜擢されはしたものの・・・年齢が上で実績もある、やり手部下の女性を蔑視する態度に立腹していた。
恋もおしゃれも捨てたはずの容子。
しかし、部下として配属された一回りも年下のイケメン男子にときめいてしまい・・・
シングルマザーの孝子は、ひとり息子に夢中。
頑張りすぎる彼女を周囲が気遣うのだけど・・・
３０前後の「微妙な年齢」の女性４人を主人公に据えた群像劇ですが、監督の深川栄洋は、こうした作品が得意なようで、そつなく仕上げているのはさすが。
エピソードも、現実離れすることなく、身近なテーマを拾い上げ、同世代の女性であれば、描かれる悩みに「あるある」と共感出来る内容なのだと思います。
まぁ、映画的には、ちまちました小さなことでよく引っ張るなぁ、と思いもするのですが、現実とはこんなものかもしれません。
ケレン味のある演出や、オーバーアクションの芝居を極力控えた作りにも好意が持てました。
物語の狂言回し役で、中心となるのは香里奈演じる由紀子。
ただ、この役に香里奈を持って来たのには違和感もありました。
香里奈は、女性に人気のモデル上がりの女優で、確かに、由紀子の“自宅ファッションショー”のシーンなどでは、ひとつひとつのポーズが様になっていて、確かにいい。
でも、イメージとしては、男性的とも言える、サバサバした「格好よさ」が香里奈の持ち味で、“フリフリ・ピンク”の「女の子」って感じじゃないように思うんだけどなぁ・・・
（舞台挨拶でも、「１００回生まれ変わっても女がいい」と言うキャッチコピーの映画にも関わらず、「生まれ変われるなら男がいい」と言い放っていましたし）
悩んで、落ち込むこともあるけれど、最後は笑顔で・・・と言うのは、予定調和ではあるけれど、それもまたよし。
これは、男性が観ても面白く、元気を貰える映画だと思います。
（２０１２年 ６月１日 ＴＯＨＯシネマズ上大岡にて）
（作品データ）
■監督
■出演
滝川由紀子 ・・・ 香里奈
武田聖子 ・・・ 麻生久美子
小坂容子 ・・・ 吉瀬美智子
平井孝子 ・・・ 板谷由夏
（その他のキャスト）
加藤ローサ 壇れい 波瑠 向井理 要潤
上地雄輔 林遣都
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