キラー・エリート
これは、ジェイソン・ステイサム主演のサスペンス・アクション。
ある仕事でドジを踏み、殺し屋稼業から足を洗ってオーストラリアで静かに暮らすダニー。
だが、かつての相棒のハンターが仕事を途中で放棄、依頼主に身柄を拘束されたという連絡を受けた彼は、ハンターを救い出すため、依頼主の元を訪れた。
中東の失脚した首長のひとりである依頼主は、部族紛争に密かに介入して彼の息子３人を殺した、イギリス軍の特殊部隊・ＳＡＳの隊員を殺すことを求めていた。
ハンターを解放することと引き換えに仕事を請けたダニーは、昔の仲間を集めて暗殺計画を練る。
こうして、プロの殺し屋ｖｓ軍の特殊部隊と言う、殺しのエキスパート同士の戦いが始まった・・・
これは、カーチェイスに銃撃戦、そして肉弾戦まで見せる、いかにもジェイソン・ステイサムらしいアクション満載の映画。
実話がベースとなっているそうですが、これは余り活かされているようには思えませんでした。
（設定を込み入ったものにするだけだったような・・・）
また、主人公たちは「殺しのエリート」のはずですが、ミスは連発するは、肉弾戦になれば取っ組み合って大騒ぎを起こすだけで、プロらしい「手際のよさ」も見られず、ちょっとと言うか、かなり物足りないもの。
確かに、ＳＡＳが相手だけに、上手く行かない、と言う演出なのかもしれませんが、それならばプロ同士の息詰まるような攻防をじっくり描いて欲しいものです。
また、ダニーが再び殺しに手を染める事を決断させる、ハンターとの関係が描かれていないのも気になりました。
これは、ダニーの“動機”になるので、これがないと映画の骨子が成り立たないように思うのですが・・・
ステイサムは、演じるキャラクターがブレない、と言うか演技の幅が狭い俳優で、この映画の役柄も、正直「エクスペンダブルズ」などと大差ありません。
その分、ロバート・デ・ニーロ、クライヴ・オーウェンと言う演技巧者がカバーをしていますが・・・
この映画、ステイサムを主役に据えて、肉弾アクションを見せるのか、実話に基くプロの頭脳戦、国家レベルの陰謀を描くサスペンスにするのか、どっちつかずになっていることが問題のように思えます。
妙に甘ったるいエンディングにも違和感がありました。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ゲイリー・マッケンドリー
■出演
ダニー ・・・ ジェイソン・ステイサム
ハンター ・・・ ロバート・デ・ニーロ
（その他のキャスト）
クライヴ・オーウェン ドミニク・パーセル エイデン・ヤング イヴォンヌ・ストラホフスキー
ベン・メンデルソーン フィラス・ディラーニ
■コピー
彼らは、実在する。
■Ｌｉｎｋ
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