テルマエ・ロマエ
これは、ヤマザキマリの同名人気コミックを実写映画化したもの。
古代ローマ帝国の浴場（テルマエ）設計技師ルシウス。
しかし、伝統を重んじる真面目な性格が災いし、彼の設計する浴場の人気はなく、職を失ってしまう。
そんなある日、友人と共に公衆浴場を訪れた彼は湯に溺れ、気が付くと見知らぬ浴場らしき場所にいた――そこは、現代日本の銭湯だった・・・
この原作は、難題を抱えたルシウスが、現代日本にタイムスリップしては問題解決のヒントを得て一件落着、と言う構成の連作短編。
一種のシチュエーションコメディで、これをどのように長編映画にするのかが課題だったと思います。
結局、原作のエピソードに、山越真実と言う日本女性を絡ませて、つなぎ合わせると言う構成になりました。そして、映画後半は、彼女までタイムスリップしてしまい、その結果、変わってしまった歴史を軌道修正する、と言う原作とはかけ離れたクライマックスを用意するものになっています。
これで、確かにストーリーは繋がったものの、結果としてはシチュエーションコメディとしてもタイムスリップものＳＦとしても中途半端なものになってしまった印象。
最後、山越真実がヤマザキマリになる（！）と言うアイデアは面白かったので、もう少し、脚色の段階で作り込みがあるともっと面白くなったように思います。
ただし、イタリアでの大規模なロケを敢行（丁度、歴史ドラマ用に作られたオープンセットが流用出来たのだとか）し、ローマ時代の作り込みも本格的。個々のシーンのマンガの再現度、その作り込みのレベルもなかなかです。
マンガ原作にありがちな著名人や芸人のカメオ出演などのヘタな話題作りや遊びも目立たず、意外にも真面目な作りは好印象。
そして、実際にイタリア人に混じって、シリアスにローマ人になりきった阿部寛の演技は絶品でした。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
武内英樹
■出演
ルシウス・モデストゥス ・・・ 阿部寛
山越真実（ヤマザキマリ） ・・・ 上戸彩
ハドリアヌス帝 ・・・ 市村正親
（その他のキャスト）
北村一輝 竹内力 宍戸開 キムラ緑子 勝矢 外波山文明
飯沼慧 岩手太郎 木下貴夫 いか八朗 神戸浩 長野克弘
内田春菊 菅登未男 森下能幸 蛭子能収 松尾諭 路井恵美子
桜井千寿 笹野高史
■コピー
ひとっ風呂、タイムスリップしませんか。
■Ｌｉｎｋ
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