ドラゴン・タトゥーの女

　これは世界中で大ヒットしたスウェーデンのミステリー「ミレニアム」シリーズの第１作「ドラゴン・タトゥーの女」を、デビッド・フィンチャー監督がが映画化したもの。
　この物語は、既にスウェーデンでも映画化されており、これは、そのハリウッド版リメイクと言う位置づけになります。
　はらは、そのスウェーデン版の映画も観たし、原作小説の方も読んでいるので、正直、どうしようかな、と思っていたのですが、やはり、鬼才、デビッド・フィンチャーがこの物語をどのように料理するのかが気になって観ることにしました。

　企業家の不正を告発した記事を名誉毀損で訴えられ、有罪となった社会派ジャーナリストのミカエル。
　そんな彼に、大手企業グループの元会長がある依頼を持ちかける。
　それは、迷宮入りとなった40年前の少女ハリエット失踪事件の真相を探って欲しいというものだった・・・

　原作通りだったスウェーデン版に対し、物語はかなり判りやすくなったなぁ、と思います。
　人物配置は簡略化され、設定も一部変えられました。
　謎解きも呆気ないもので・・・やはり、ハリウッドで多数の観客相手にするとこう言う簡単な筋書きになってしまうのか、と思いました。
　犯行の動機なども随分と判りやすいものになりました。判りやすいけれど、その分、ドラマの深さも失ったなぁ、とちょっと残念です。

　ただ、デビッド・フィンチャーらしい凝った映像、ビジュアルのインパクトがあって、映画には引き込まれます。
　確かに、エンターテイメントとしては完成度は高まりました。

　ビジュアルの上で、存在感を出しまくりなのが、やはり、“ドラゴン・タトゥーの女”、リスベットですね。
　スウェーデン版のノオミ・ラパスもよかったのですが、今回は、実際の年も近いルーニー・マーラを起用。
　「ソーシャル・ネットワーク」の時の大学生役とは別人のような様を見せています。
　奇抜なスタイル、そっけない普段の表情さの裏に秘めた、凶暴さと相反する寂しがり屋の素顔・・・それを繊細に演じ切ったルーニー・マーラの力演が光ります。

　（月日　にて）

（作品データ）

　■監督

デヴィッド・フィンチャー　

　■出演

　ミカエル・ブルムクヴィスト　・・・　ダニエル・クレイグ

　リスベット・サランデル　・・・　ルーニー・マーラ

　ヘンリック・ヴァンゲル　・・・　クリストファー・プラマー

（その他のキャスト）
　ステラン・スカルスガルド　　スティーヴン・バーコフ　　ロビン・ライト　　ヨリック・ヴァン・ヴァーヘニンゲン
　ジョエリー・リチャードソン　　ジェラルディン・ジェイムズ　　ゴラン・ヴィシュニック　　ドナルド・サムター
　ウルフ・フリバーグ　　ジョセフィン・スプランド　　エヴァ・フリトヨフソン　　インガ・ランドグレー
　マッツ・アンデルソン　　エロディ・ユン　　エンベス・デイヴィッツ

　■コピー

誰がハリエットを殺した？　

　■Ｌｉｎｋ

http://www.dragontattoo.jp/

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