ペントハウス
この映画の舞台は、マンハッタンになる富裕層向けマンション「ザ・タワー」。
ジョシュはそのマンションで働くスタッフを束ねるマネージャーだ。
ある日、ジョシュはマンション最上階のペントハウスに住む投資家アーサー・ショウが、詐欺容疑でＦＢＩに逮捕されたことにショックを受ける。
実は、ジョシュは、逮捕されたショウにスタッフの年金資金運用を委託していたのだ。
その金が投資詐欺に消えたと、怒り心頭のジョシュはショウの部屋に怒鳴り込み、マネージャーをクビになってしまう。
だが、ジョシュは親しくなったＦＢＩの捜査官から気になる情報を得た。ショウは不起訴となる可能性大で、その後、高飛びする為の資産を自分の部屋の中に隠しているらしいと言うのだ。
ジョシュは共にクビになったスタッフらと、ショウの部屋からその大金を盗み出そうと計画し始めるのだが・・・
この映画、監督は「ラッシュアワー」のブレット・ラトナーで、キャスティングも、この種の映画としては超豪華。
主演に、ベン・スティラーとエディ・マーフィーと２大コメディ俳優を揃え、「ＧＯＤＺＩＬＡ」や「シカゴ」のマシュー・ブロデリック、「ウィンド・トーカーズ」のマイケル・ペーニャ、「プレシャス」のガボレイ・シディベ。そして、ヒロインには「ジュラシックパーク３」のティア・レオーニと、映画主役級がズラリと揃います。
顔ぶれだけ見れば面白い映画になりそうなのですが、優れた監督、優れたスタッフ、優れた俳優たちを集めても、必ずしも優れた映画ができないところが映画の不思議なところです。
確かに、アイデアは悪くないし、強盗計画のドタバタも悪くないのですが・・・この映画、どうにもイマイチに感じました。
基本は、個性あふれる落ちこぼれの寄せ集めメンバーが、大それたミッションを計画してまんまと成功させる物語なのだけど、どうも。それが上手く行ってないように思えます。
元々が「巻き込まれ型」のベン・スティラーが、この映画で一番のキレ者、と言う辺りから怪しく、集められたメンバーの特技がどうにも物語と噛み合ってない。
まぁ、電気知識のあるエレベーター係のエンリケや、金庫破りの特技を持つオデッサなどの設定はあるのだけど、それらが上手く活かせてない印象が強いです。
ただ、この映画、物語の基本設定が、ウォール街で大規模デモが起きる今のアメリカの気分を表したものになっていて、それでヒットしたのでは、と思いますね。
これは、庶民たちがウォール街で働く金持ちに財産をむしり取られる話であり、彼ら庶民が非合法な手段を使ってでもそれを取り戻そうとする物語だからです。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ブレット・ラトナー
■出演
ジョシュ・コヴァックス ・・・ ベン・スティラー
スライド ・・・ エディ・マーフィ
（その他のキャスト）
ケイシー・アフレック アラン・アルダ マシュー・ブロデリック スティーヴン・ヘンダーソン
ティア・レオーニ マイケル・ペーニャ ガボレイ・シディベ ジャド・ハーシュ
■コピー
全財産は、最上階<ペントハウス>。
■Ｌｉｎｋ
［戻る］