麒麟の翼
劇場版・新参者
これは、東野圭吾の人気小説を元にしたＴＶドラマの映画版。
監督は、「今、会いにゆきます」の土井裕泰。
東京・日本橋の翼のある麒麟像の下でナイフで腹を刺された中年男性が倒れ、間もなく死亡。
その直後、現場近くに潜んでいた挙動不審な青年を警察官が発見するが、その青年は逃走中に車に撥ねられ、意識不明の重体となってしまう。
捜査を担当することになった日本橋署所轄の刑事・加賀恭一郎は、一方的に青年を犯人と決め付ける捜査本部方針を他所に真実を求めて行くが・・・
ＴＶシリーズ未見のため、鑑賞を迷った映画ですが、阿部寛演じる加賀恭一郎のキャラクターに引き込まれ、映画は十分に楽しめました。
豪快にして細心、徹底的に自己流を貫く態度・・・やはり、性格に難のある男を演じさせると、阿部寛は抜群にいいです。
また、何か守るためについた人々のウソを見抜き、その裏にある真実を繋ぎ合わせ、事件の真相に迫る、加賀の捜査の描写も見事なら、深いドラマと意表を突く展開を両立させた物語設定も見事。
なるほど、さすが東野圭吾と言ったところ。
ただ、加賀刑事が、事件解決のみならず、その背景となった人間関係まで踏み込んで行くのは、ちょっと行き過ぎではないかな、と。
金森看護士を「お節介」と煙たがる加賀ですが、事件に係る人に対しては、加賀もいささか「お節介」が過ぎるのではないでしょうか？
また、加賀自身、父親との関係を修復出来なかったばかりか、それを正当化さえしているのに、被害者の子供に父と子の絆の大切さを説いても、それに説得力があるか、と。正直、「お前が言うか」と思ってしまいました。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
土井裕泰
■出演
加賀恭一郎 ・・・ 阿部寛
（その他のキャスト）
新垣結衣 溝端淳平 松坂桃李 菅田将暉 山崎賢人 柄本時生
竹富聖花 聖也 北見敏之 相築あきこ 中村靖日 緋田康人
松澤一之 黒木メイサ 向井理 山崎努 菅原大吉 田中要次
志賀廣太郎 大石吾朗 三浦貴大 劇団ひとり 秋山菜津子
鶴見辰吾 松重豊 田中麗奈 中井貴一
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