１９１１
辛亥革命
これは、現代中国の原点である辛亥革命から今年で１００年を迎えることを記念して作られた歴史大作。
孫文を演じるのは「宗家の三姉妹」などで知られる、孫文を当たり役にしているウインストン・チャオ。孫文の親友であり同志、黄興を演じるのはジャッキー・チェン。ジャッキー・チェンはこれが映画出演１００本目の記念作に当たり、総監督を務めるなど、力の入った作品になっています。
中国は、長く王制の続いていた国家だったが、１７世紀から続く清王朝が２０世紀初頭に革命によって倒され、中国は近代国家への第一歩を踏み出すことになる。
革命が起きた１９１１年の干支が辛亥（かのとい）だったことから、これを「辛亥（しんがい）革命」と呼ぶ。
この映画は革命の指導者である孫文と、革命軍司令官として戦闘の指揮を執った黄興の２人を中心に、辛亥革命の勃発から、中華民国成立と孫文の臨時大統領就任、袁世凱との駆け引きと清朝の壊滅、孫文の大統領辞任までを描きます。
上映時間は約２時間ですが、これで辛亥革命の全体を描くのは、ちょっと大変だったのではないでしょうか？
映画の印象はさしずめダイジェスト版と言うところで、大きな事件ごとにそれぞれ有名な革命家や勇者が登場しては消えていくのですが、これがまるで判りません。
この辺り、歴史が概要でも頭に入っている中国人なら楽しめるのでしょうが・・・
むしろ、ジャッキー演じる黄興の人物像（黄興は中国における西郷隆盛のような人物なんだそうな）に注目し、彼と孫文の関係や、妻になる徐宗漢にスポットを当て、人間ドラマとして構成してもよかったように思います。
また、実在した革命家の役ということもあり、ジャッキー・チェンならではのアクロバティックなアクションシーンは今回ほぼ封印されてしまっています。それでも、１シーンだけ、らしいアクションを見せているのは、精一杯のファンサービスでしょうか。
尚、ここで孫文が興したのは「中華民国」。
勿論、今の台湾のことであり、現代中国とは違います。
だからと言って、これを「歴史に残らなかった「命」の物語。」と言うのは・・・これも、現代中国、「中華人民共和国」の意思なのか、と言うのは勘繰り過ぎでしょうか・・・
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジャッキー・チェン／チャン・リー
■出演
孫文 ・・・ ウィンストン・チャオ
黄興 ・・・ ジャッキー・チェン
徐宗漢 ・・・ リー・ビンビン
（その他のキャスト）
ジョアン・チェン ジェイシー・チャン フー・ゴー スン・チュン ジャン・ウー
ユィ・シャオチュン ウェイ・ツォンワン ホアン・チーチョン ニン・チン
ワン・ツィンワェイ サイモン・ダットン メイ・ティン
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歴史に残らなかった「命」の物語。
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