| 電人ザボーガー |
これは、１９７０年代に放送された子供向け特撮ＴＶ番組「電人ザボーガー」を、「片腕マシンガール」や「ロボゲイシャ」などのＢ級アクション映画で知られる井口昇監督が劇場版にリメイクしたもの。
国会議員襲撃の犯行予告を受け、警備を敷く警視庁の新田警部らの前に、謎の犯罪組織シグマの幹部ミスボーグと彼女が操るロボット・ヨロイデスが姿を現す。
そして、ヨロイデスにより機動隊員が倒され、議員に危機が迫ったその時・・・
「ウルトラマン」と「仮面ライダー」のヒットにより多くが生まれた特撮ＴＶ番組の中でも、「電人ザボーガー」は奇妙な味わいでした。
ロボットがオートバイに変形する、と言う設定、しかも、そのロボットは操縦するのではなく、自らの意思を持って行動し、しかも、主人公とは“兄弟”だと言う・・・正直、何だこりゃ？と言うのが当時の印象でした。
（ある意味、先進的ではあったのですが・・・なにせ「トランスフォーマー」でやってるような設定なんですから）
製作会社も、ピー・プロダクションで、円谷や東映特撮からは一段落ちる感じで、特撮を含め、内容にはチープさを感じさせるものでした。
井口監督は、今回、（井口監督作品としては）今までにない大予算で、キャストも豪華と言えるものにはなっているのですが、あくまで作りはオリジナルのＴＶ特撮のイメージを残したものになっています。
これはもう、狙ってやっていますね。
現在の特撮ＴＶ番組を見ている子供たちには受け入れられないような出来映えで、これは７０年代特撮を知るかつての少年向け。
そんな観客層に合わせ、悪ふざけに近い遊びとお色気を加え、更に意外にも重いドラマを盛り込んで・・・これはもう盛り沢山、お腹いっぱいの印象は、正にＢ級グルメの味わいでした。
主役は、熟年期の主人公、大門豊を演じる板尾創路は、まぁ、期待通りの演技ですが、時代錯誤的な熱い男の若い日の大門を演じてみせる古原靖久もなかなかの力演でした。
あと、佐津川愛美、彼女にはやはり期待してしまう・・・そして、期待以上でしたね、アレは・・・
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
井口昇
■出演
大門豊（青年期） ・・・ 古原靖久
大門豊（熟年期） ・・・ 板尾創路
ミスボーグ ・・・ 山崎真実
ＡＫＩＫＯ ・・・ 佐津川愛美
（その他のキャスト）
宮下雄也 デモ田中 岸建太朗 島津健太郎 佐藤佐吉 山中アラタ
石川ゆうや 松浦祐也 村上浩章 亜紗美 村田唯 泉カイ
谷川昭一朗 高尾祥子 木下ほうか 松尾諭 関智一 増本庄一郎
きくち英一 渡辺裕之 竹中直人 柄本明
■コピー
あきらめるな！ 立ち上がれ！
■Ｌｉｎｋ
［戻る］