アクシデント
ACCIDENT
これは、「エグザイル／絆」のジョニー・トーがプロデュースした、サスペンス・ミステリーです。
突然、襲いかかる不慮の事故。
この映画の主役は、そんな事故を装って人を殺すプロフェッショナルだ。
リーダー格のブレインの指揮のもと、入念な調査と下準備を積み重ね、狙ったターゲットを「事故死」させる。その巧妙な手口により、遺族も警察も「事故」と信じて疑わない。
だが、ある現場で仕事をした直後、思いがけない「事故」が起きる。
事故に巻き込まれた仲間は「これは事故なのか？」とつぶやいて息絶える。そう、これは果たして「事故」なのか？
ブレインが自宅に戻ると、自宅の鍵がこじ開けられ、これまでの稼ぎも奪われていた。
誰かが、自分たちの「仕事」に気づいた・・・そんな疑惑を抱いたブレインは調査を始めるが・・・
この映画、導入部で、主人公たちの仕事である「事故」の手並みを見せます。
ターゲットは、巧妙に事故現場に導かれ、自らの手で事故に至る引き金を引くのです。
そして、次に、この仕事が、緻密な計画と地道な下準備の上に成り立っているのかを説明して行きます。
条件が整うまで、何度でも仕事を中止するリーダーと、それに従う部下たちの忍耐力。
練り上げられた計画の巧妙さと、それを確実に実行する為に、撤退する勇気。この映画の中で一番面白いシーンです。
そんな精密機械のようなチームが、「事故」をきっかけに生じた疑心暗鬼によって崩壊していく、その様子が、この映画の主題。
「事故」を生業とする男が、事故で大事なものを失い、そして、事故で人生すら失う。
因果応報と言うオチもきっちりつけた、見応えのあるサスペンスでしたが、惜しいのは、展開とネタが読めてしまうこと。
（ネタバレすると、描写に「ビューティフル・マインド」を彷彿とさせるシーンがあって、それで確信してしまいました）
また、クライマックスの日食描写は完全にやり過ぎで、リアリティ欠如もいいところ。
本当の日食ならあんなに急速には変化しないし、時刻も判るのだから周到なブレインが計画に入れていないのもおかしい。あの描写なら、太陽に雲がかかるだけで十分だったはずです。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ソイ・チェン
■出演
ブレイン ・・・ ルイス・クー
（その他のキャスト）
リッチー・レン ラム・シュー ミシェル・イエ フォン・ツイファン
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それは偶然だったと言い切れるか？
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