サンクタム
これは、ジェームズ・キャメロン製作総指揮、「アバター」で開発した３Ｄカメラシステムを活用して製作された、巨大洞窟からの脱出を描くサスペンスです。
映画の舞台はパプアニューギニア。世界最大級の巨大洞窟エサ・アラの全体像を明らかにすべく、調査を続ける冒険家のフランク。
スタッフは尊敬の念を抱いていたが、息子ジョシュは探検に没頭する父に反発していた。
そんなある日、スポンサーの富豪、カールが洞窟を訪れる。だが、その時、洞窟には嵐が迫っていた・・・
映画の舞台になるのは巨大洞窟。
勿論、映画の撮影が出来るような洞窟がある訳はなく、この映画は殆どが巨大なセットを組んでの撮影だった、とのこと。
セットの出来映えは呆れるばかりもので、よくもまぁ、こんなものを作ったものです。
また、この映画、「アバター」のような立体感・奥行き感の表現だけでなく、臨場感を表現する事を狙っています。その狙いは面白く、効果的な場面も確かにありますが、それ以上に違和感も強く感じました。
特に、セットではなく、ＣＧの背景のシーンなど、ミニチュアの前に別に撮影した人物を合成したかのような稚拙な出来映えで、脱力するようなシーンが幾度もありました。
物語は、主軸に父と息子の葛藤と和解のドラマを据えていますが、延々と続く洞窟のシーンがいささか単調に感じられたのも事実。
また、展開が面白くなかったのは、これ、脱出劇の展開が、まんま「ポセイドン・アドベンチャー」なんです。
迫る水から逃げ、その過程の中で仲間がひとりずつ死んで行く・・・その展開もそのままだし、途中に現れる障害まで、見たようなシーンなのですから、「ここまでパクるのか」と最早、呆れるしかありませんでした。
他にもカットの繋ぎの荒さ、場面展開の唐突さと不可解さなど、映画の出来映えははっきり言ってよくありません。
挑戦的な撮影技術に挑んだ実験作と言う価値はあるかもしれませんが、これを「ジェームズ・キャメロン」の名で売ろうと言うのは、果たして如何なものか・・・
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
アリスター・グリアソン
■出演
ジョシュ ・・・ リース・ウェイクフィールド
フランク ・・・ リチャード・ロクスバーグ
カール ・・・ ヨアン・グリフィズ,
（その他のキャスト）
アリス・パーキンソン ダン・ワイリー クリストファー・ベイカー ニコール・ダウンズ
アリソン・クラッチリー クレイマー・ケイン アンドリュー・ハンセン ジョン・ガーヴィン
■コピー
世界には、まだ人間が行ってはならない場所がある。そこは、聖域――
■Ｌｉｎｋ
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