ハンナ
これは、「つぐない」のジョー・ライト監督が、同作に出演してアカデミー助演女優賞候補になったシアーシャ・ローナン主演で撮ったサスペンス・アクション映画。
フィンランドの森の中で、父親とふたりきりで自給自足の生活をしている少女ハンナ。
様々な戦闘技術や多くの語学、幅広い知識を教えられた彼女には、ある任務があった。
そして、その日が来た。
保管していた発信器のスイッチを入れると、発信源をたどってＣＩＡの特殊部隊が彼女を取り囲む。連れて行かれたのはＣＩＡの秘密施設。
彼女はそこで、マリッサ・ヴィーグラーを殺さなければならないのだ・・・
遺伝子操作で生み出されたスーパーヒロインと、その存在を闇に葬ろうとする政府、と言う膨らませ方によってはいくらでも面白くなりそうな設定、シアーシャ・ローナン始め、ハンナの父、エリックにエリック・バナ。宿敵マリッサにケイト・ブランシェットと、実力派で固めた豪華なキャスト、複数の国での海外ロケを敢行、そして、印象的な音楽とカット割りで見せる斬新な映像・・・映画としての魅力は数多くあれど、この映画、脚本がまるで駄目だ、と思います。
勿論、脚本が全てではないけれど、それでも、観客をぐいぐい引き込んで行く力は欲しいものです。
この物語、致命的なのは、マリッサを殺さなければならない理由が観客に見えて来ないことで、これが描ければ大分違うものになったと思います。
あと、ジョー・ライト監督、アクション演出にスピード感がなく、追走劇が全てドタバタと走るだけ、疾走感と運動のダイナミズムに欠けたものになっています。
やっぱり、この監督にアクションは相応しくないのでは、と感じられました。
映画終了しても多くの謎は残り、他にもキャンピングカーの親子がどうなったのか、など、放り出したままの部分もあり、映画としては消化不良の感あり。
それこそ、シリーズ化を狙っているのかもしれませんが、この出来映えでは、そもそも続編を作る事が出来るのか・・・？
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
ジョー・ライト
■出演
ハンナ ・・・ シアーシャ・ローナン
エリック ・・・ エリック・バナ
マリッサ・ヴィーグラー ・・・ ケイト・ブランシェット
（その他のキャスト）
トム・ホランダー オリヴィア・ウィリアムズ ジェイソン・フレミング ジェシカ・バーデン
■コピー
１６才、罪を知るには若すぎる。
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