ハリー・ポッターと死の秘宝
ＰＡＲＴ．２
これは、Ｊ・Ｋ・ローリング原作のファンタジー小説「ハリー・ポッター」シリーズの映画版完結編です。
世界中で大ヒットとなった、正に２１世紀最強の魔法ファンタジー小説、シリーズ初の３Ｄとなった映画は、その最後を飾るに相応しい出来映えでした。
ヴォルデモートはついに、死の秘宝の一つである最強の杖、ニワトコの杖を手にする。
一方、ヴォルデモートを滅ぼすため彼の分霊箱を探すハリーは、その一つがレストレンジ家の金庫にあると推察、ロン、ハーマイオニーらと共にグリンゴッツ魔法銀行へと潜入、その破壊に成功する。
そして、残る分霊箱がホグワーツにあると読んだハリーは、ホグワーツへ潜入。
だが、ヴォルデモートの勢力もホグワーツに迫っていた。そして、ホグワーツを舞台に、最後の決戦の幕が上がることになる・・・
中盤以降、映画ごとにそのスタイルを変えて来た「ハリー・ポッター」シリーズ。
前作「死の秘宝 ＰＡＲＴ．１」は、分霊箱を追うハリーたち３人の人間ドラマを描いたロードムービースタイルでしたが、今回の映画は、ほぼ戦争映画。
お馴染みのホグワーツが戦火に包まれ、破壊の嵐に晒され、ハリーの周囲の人々が次々に死んで行きます。
その中で明かされる、様々な秘密。
何故、ハリーだけがヴォルデモートの心を読めるのか、そして、何故、ハリーがヴォルデモートとの決戦の切り札たり得るのか。
更に、その決戦の見据えた、ある人の冷酷な打算、意外な人の思い・・・この辺りの物語には唸らされました。
なるほど、最強のファンタジー小説、と言う賛辞は伊達ではありません。
更に、決戦に向けての意外な人の矜持と活躍もあり、これは、本当に目が離せません。
また、巧みに張られた伏線に、これまでの物語を思わず見返したくなります。
あと、そうした重い話でありながらも、所々に仕込まれたユーモア、なるほど、これが英国人のセンスか・・・
ヴォルデモートとの最後の戦いも壮絶ですが、ちょっと残念なのは、サブタイトルでもある「死の秘宝」の扱いがややぞんざいなこと。
実際、物語上の比重も軽くないので、この辺り、もう少し丁寧に納得できるように扱って欲しかったと思います。
振り返ってみれば、この物語は真っ当な青春もの。
少年が、己が何者かを知り、自らの決断で人生を切り開く物語。
これまで、運命と周囲の大人たちに導かれて来たハリーは、自身と対峙し、自らの判断で決戦に挑むのです。
エピロ−グとして用意された、また新たな物語の始まり。それも明るくさわやかで、満足して鑑賞を終えることが出来ました。満足。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
デヴィッド・イェーツ
■出演
ハリー・ポッター ・・・ ダニエル・ラドクリフ
ロン・ウィーズリー ・・・ ルパート・グリント
ハーマイオニー・グレンジャー ・・・ エマ・ワトソン
（その他のキャスト）
ヘレナ・ボナム・カーター ロビー・コルトレーン レイフ・ファインズ キアラン・ハインズ ジェイソン・アイザックス
アラン・リックマン マギー・スミス ジュリー・ウォルターズ トム・フェルトン ボニー・ライト ジェイムズ・フェルプス
オリヴァー・フェルプス マシュー・ルイス イヴァナ・リンチ マイケル・ガンボン ワーウィック・デイヴィス
ジョン・ハート マーク・ウィリアムズ エマ・トンプソン デヴィッド・シューリス ゲイリー・オールドマン
ジム・ブロードベント ドムナル・グリーソン クレマンス・ポエジー ジェラルディン・ソマーヴィル ケリー・マクドナルド
アフシャン・アザド ミリアム・マーゴリーズ
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これが、最後。
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