岳
−ガク−
また、山においでよ。
これは、小学館漫画大賞を受賞した人気コミック「岳 みんなの山」を映画化したもの。
美しく雄大な日本アルプスを舞台に、山岳遭難救助隊の活動を描きます。
念願かなって長野県警山岳遭難救助隊に配属された新米隊員の椎名久美。
着任早々に北アルプスで遭難事件が発生、訳も分からぬまま隊長の野田らと共に現場に向かった彼女は、山岳救助ボランティアとして活躍する島崎三歩と出会う。
山の申し子のように、自在に山を駆け巡る三歩。その脳天気にさえ思える明るさと笑顔に、時に反感を覚えてしまう久美は、やがて、その笑顔の裏にあるものを知る事になる・・・
小栗旬の三歩は「ミスキャストでは？」と危惧していたのですが・・・この小栗旬と役者、元々、身体の躍動感が印象的でした。それを活かした“山の申し子”三歩役、確かに、なかなか様になっていました。
映像も美しくて迫力があり、山岳映画ならではの魅力もまずまず。
ただし、パッとしない印象だったのは長澤まさみ。
とにかく、山岳救助隊員と言う設定にリアリティのないのが致命的。だから、クライミングのシーンでの綺麗過ぎる手とか、細かな所までは気に障って仕方ありませんでした。
さらにいただけないのはクライマックス。
あそこは、久美に遭難者を背負ってクレパスを登りきらせるべきだった。
（そうしないと、三歩の「よく、がんばった」に値しない、でしょ？）
大体、雪崩に呑まれるならともかく、救助隊員がクレパス登坂中に遭難者を背負ったまま心肺停止って、どうしてそんな事が起きるのだ、と？
これ、要するに、あそこで三歩に蘇生措置をやらせたかった訳だ。
長澤の胸を揉み、口付けするシーンが。
それで、熱愛報道のひとつでもデッチ上げて客寄せしようとしたのだが・・・長澤まさみの恋愛スキャンダルで水泡に帰した、って言う状況でしょうか。
こう言う下品な盛り上げ方は好きじゃないなぁ・・・今や、映画はＤＶＤで繰り返し観られるのですから、もっと、映画の内容で勝負して欲ししいもの。
せっかくの冬の日本アルプスの清らかな白銀の世界を汚されたようで、どうにも後味がよくなかったです。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
片山修
■出演
島崎三歩 ・・・ 小栗旬
椎名久美 ・・・ 長澤まさみ
（その他のキャスト）
佐々木蔵之介 石田卓也 矢柴俊博 やべきょうすけ 鈴之助 浜田学
宇梶剛士 森廉 小林海人 光石研 中越典子 尾上寛之 波岡一喜
ベンガル 石黒賢 市毛良枝 渡部篤郎
■コピー
生きる。
■Ｌｉｎｋ
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