| 阪 急 電 車 〜片道１５分の奇跡〜 |
これは、「図書館戦争」などの人気作家、有川浩の同題小説を映画化したもの。
宝塚〜西宮北口間の７．７kmを１５分で繋ぐ、えんじ色のレトロな電車、阪急電鉄・今津線を舞台にした群像劇。
婚約者を会社の後輩に寝取られたＯＬの翔子。彼女は、２人の結婚式に純白のドレスで出席する、と言うこれ見よがしな復讐を行うが、心は晴れない。帰宅途中の阪急電車で、声をかけられた見知らぬ老婦人と会話をするうちに・・・このインパクトのあるエピソードをいきなり冒頭に持って来て、どうなる事かと思いましたが、この映画、なかなか巧みに阪急電車に乗る人々のドラマを描き出して行きます。
周囲も羨むイケメンの彼氏のＤＶに悩まされている女子大生のミサ。
セレブ気取りの奥様グループに振り回される庶民派主婦の康江。
地方出身で、周囲の友人に馴染めない大学生の美帆。
大学受験を控えた悦子は、今の成績では志望校の大学は難しいと言われてしまう。
そして・・・
これも女性が主役の映画ですね。芦田愛菜から、宮本信子まで、幅広い年齢層の名女優がズラリ。
しかも、それぞれに持ち味を活かして演じ切っており、これだけの女優がキラ星の如く揃うと、男性陣は、ちょっと影が薄いです。
宮本信子の凛とした姿勢もいいし、中谷美紀が見せる頑なな強さが、しなやかな強さに変化していくのも見事。
あ、あとこれは監督の趣味でしょうか、戸田恵梨香は、登場シーンの全てがホットパンツか超ミニスカ姿で、綺麗な脚を見せまくってます。
駅ごとに次々と乗り降りする人々。知らない顔ではないけれど、それでも知り合いと言う訳ではない、微妙な距離感の人々がひとつ屋根の下で過ごす、電車と言う空間。
誰もが自分の人生を生きているのだけど、ふと、見回せば、周りの人にも、それぞれの人生、それぞれの悩みを抱えてそこにいる。
そんな想いを交換する事で、開けて行くものがあり、変わって行くものがある。
よくある人情話と言えばそれまでだけど、電車と言う空間には、確かにそれを生み出す何かがあるのかもしれません。
PS
しかし、いかなるお説教でも大阪のオバチャンが沈黙するとは思えない・・・いや、それが「奇跡」か。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
三宅喜重
■出演
高瀬翔子 ・・・ 中谷美紀
森岡ミサ ・・・ 戸田恵梨香
伊藤廣江 ・・・ 南果歩
権田原美帆 ・・・ 谷村美月
門田悦子 ・・・ 有村架純
萩原時江 ・・・ 宮本信子
萩原亜美 ・・・ 芦田愛菜
（その他のキャスト）
勝地涼 小柳友 相武紗季 鈴木亮平 大杉漣 安めぐみ
菊池均也 黒川芽以 森田涼花 高須瑠香 高橋努 玉山鉄二
■コピー
「終着駅は、きっと笑顔。」
■Ｌｉｎｋ
［戻る］