まほろ駅前
多田便利軒
お困りごとはアフターケアも万全の多田便利軒へ。
これは、三浦しをんの、直木賞受賞作でベストセラーとなった「まほろ駅前多田便利軒」をを映画化したもの。
東京から神奈川へ突き出るようにある街、“まほろ”。都会でもなければ、田舎でもない。海は遠いが山もない。天気予報は大体外れる。まほろと言う街は、人もモノも流行も最後に流れ着く。まほろを出た人も、いつかはまほろに舞い戻る。
そんな街の駅前で、便利屋を営むバツイチ男、多田啓介。頑固なまでに真面目な男だ。
ある夜、多田は、仕事帰りに中学の同級生、行天春彦と再会。行く当てもない彼を一晩だけ泊める事に。
飄々としてつかみ所のない行天を、多田は追い出す事が出来ず、行天は、そのまま事務所に居座ってしまう。
親友ではなく、ウマが合うのでもなく、むしろ反りの合わない２人が組んで・・・と言う典型的なバディムービー。
ただ、この映画、大きなドラマが盛り上がることなく、便利軒に舞い込む仕事絡みの小さなエピソードを重ねる中で、親と子とは、人生とは、と言うテーマを描き、更にバツイチ・３０男の彼らが抱える、悲しみや苦しみを浮かび上がらせると言う構成。
その深い味わいのドラマには唸らされました。
また、ドラマだけでなく、演出も絶妙。
スムーズではなく、気詰まりを感じさせる会話と、その間に差し込まれる沈黙。
瑛太と松田龍平、そこにいるだけで画になる旬の俳優を起用し、目の離せない演出で見せる辺りは素晴らしい。
あと、この映画はキャストが豪華。
主役２人以外にも、十分主演が務まりそうな俳優を豪華に使って来ますから油断がなりません。
なるほど、これは面白い。
小説同様、続編に期待してしまいたくなる映画です。
（４月３０日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
大森立嗣
■出演
多田啓介 ・・・ 瑛太
行天春彦 ・・・ 松田龍平
（その他のキャスト）
片岡礼子 鈴木杏 本上まなみ 柄本佑 中村優子 吉本菜穂子
横山幸汰 田中遥菜 三浦誠己 鈴木晋介 中沢青六 宍戸美和公
吉井有子 瀬戸寛 大嶋捷稔 吉岡澪皇 田村愛 宇野祥平
金子清文 日向寺雅人 全原徳和 渡邉達也 戌井昭人 奥田いろは
加部亜門 大森南朋 梅沢昌代 松尾スズキ 麿赤兒 高良健吾 岸部一徳
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