ソルト
これは、アンジェリーナ・ジョリー主演のスパイ・アクション映画。
この映画、元々、トム・クルーズ主演の映画として企画されたと言われます。
まるで「ボーン」シリーズの亜流か、「Ｍ.Ｉ」の焼き直しになりそうなスパイ映画・・・それを、美貌と演技力を備え、更に並みのアクション男優を蹴散らす体術を見せるアンジェリーナ・ジョリーは見事に作り変えたと言ってもいいのではないでしょうか？
ＣＩＡの工作員イヴリン・ソルト。
ある日、彼女らが隠れ蓑とする石油会社に、ロシア特務機関のオルロフだと名乗る男が投降して来た。
尋問したソルトに対し、彼は、米国に潜伏するスパイが訪米中のロシア大統領を暗殺する計画を告白。そのスパイの名は“イヴリン・ソルト”だと告げた。
突然、スパイの嫌疑をかけられたソルトは、身柄を拘束しようとする同僚たちの手を振り切って脱出、街の雑踏の中に姿を消した・・・
アメリカ市民に偽装したスリーパー（潜入スパイ）というモチーフは、先日、アメリカでロシアの潜入スパイ、アンナ・チャップマンが逮捕されて話題になったばかりだからタイムリーと言えるでしょう。
映画の設定そのものは「００７」や「Ｍ．Ｉ」などよりずっと現実的ですが、設定はともかく、この映画は物語の風呂敷を広げ過ぎ。
東西冷戦が終わってアメリカとロシアが友好的な共同歩調を取り始めている現在、米露間にどのようなスパイ活動の可能性があるのでしょうか？
（先のアンナ・チャップマンも事実上、ろくに活動していなかったようですし）
この映画では、冷戦時代に作られたスパイ組織の残党の暴走、と言う設定を持ち込みましたが、それだったら、もう少し風呂敷を小さくしないと、話の収拾がつかないように思います。
ラストシーンは、「ボーン」よろしく、続編を期待させるような幕切れにも見えますが・・・これでは続編は難しいように思えます。
（月日 にて）
（作品データ）
■監督
フィリップ・ノイス
■出演
イヴリン・ソルト ・・・ アンジェリーナ・ジョリー
（その他のキャスト）
リーヴ・シュライバー キウェテル・イジョフォー ダニエル・オルブリフスキー アンドレ・ブラウアー
■コピー
彼女は、何者なのか？
■Ｌｉｎｋ
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