ＡＴＯＭ
アトム
これはみなさんご存じ、手塚治虫の代表作にして、不朽の名作「鉄腕アトム」。
手塚治虫生誕８０周年となる今年、遂に３Ｄアニメとして映画化されました。
製作は、香港とアメリカにスタジオを持つ、新進気鋭のプロダクション、イマジ・スタジオ。
２１世紀の空中都市メトロシティ。人々が豊かな生活を送るそこは、たくさんのロボットたちが人間のために働いていた。
ある日、ロボット科学者のテンマ博士の息子トビーは、新たに開発された軍事ロボット「ピースキーパー」の実験が行われると聞いて施設に潜り込み、ロボットの暴走事故の巻き添えで死亡してしまう。
失意のテンマ博士は、息子そっくりのロボットを製作、トビーの代わりにしようとするのだが・・・
これは、素晴らしい出来映えの映画です。
アトムの年齢を、原作より少し引き上げる事で、「自分の居場所を見つける」、「自分が何者かを知る」と言うテーマを持たせられ、いささか普遍的ではありますが、少年の成長物語として、しっかりと筋が通りました。
アニメとしても、手塚キャラの特徴を活かして、３Ｄキャラに見事アレンジ。
世界観も見事に手塚ワールドを描き出しています。
そして、何より感心したのはアニメとしての出来の素晴らしさ。
初めて空に舞う、アトムの飛ぶシーンの素晴らしいこと。
飛翔感に開放感、震えが走る程の素晴らしいシーンで、これは宮崎アニメなどでしか出来ないと思っていた描写。
イマジ・スタジオ、恐るべし。
これで、「萌え」を実現されたら、日本アニメも危ないと思わせます。
これこそ、２１世紀の子供たちにとっての新しい「アトム」。
それを日本で生み出す事が出来なかったのは、残念な事だと思います。
（１０月１８日 川崎 チネチッタにて）
（作品データ）
■監督
デヴィッド・バワーズ
■出演
アトム ・・・ 上戸彩
テンマ博士 ・・・ 役所広司
（その他のキャスト）
林原めぐみ
■コピー
ぼくは負けない──だって父さんの子どもだから。
■Ｌｉｎｋ
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