しんぼる
これは、松本人志の長編劇場映画第２作。
第１作目の「大日本人」同様、松本人志自らが企画・監督・主演しています。
メキシコ。若い尼僧がハンドルを握る車が、荒野を疾走する。
彼女は、覆面プロレスラー「エスカルゴマン」として活躍する父親を迎えに、自宅へと向かっていた。
その頃、白い壁に囲まれた、何もない大きな部屋に閉じ込められたひとりの男が目を覚ます。
「ここから出してくれ」と男が訴えると、やがて、壁の中から“あるもの”が現れた・・・！
これは、松本人志の劇場用長編映画第２作。
第１作の「大日本人」もあれはあれで見応えのある映画だったのですが、この「しんぼる」は、それ以上に挑戦的。
様々に制限された状況の中で、出来うる表現として、この映画を作ったのは大したものだと思います。
ちょっとネタバレになりますが、この映画、「２００１年宇宙の旅」の最後１０分を２時間にしたような映画です。
男は、ある「意志」により、「そこ」へ連れて来られて、「そこ」で生まれ変わる。
男は、「そこ」で、ルールを知り、世界を知り、そして、通過儀礼となる課題をクリアして、次の段階へ進む。
そう、これは「成長」のメタファーなのです。
そして、次のステップでは、自らの行為が社会に繋がっている事を知る。
自らの行いが、人の世を様々に変えていく・・・
そして、最後にたどり着いた先では「未来」を創る事になります。
そう、これは「神」になる為のステップなのです。
ここに辿り着いた映画には、脱帽。
松本人志、前の「大日本人」を観た時には判断保留したけれど、この映画で、正直、これは天才なのかも知れない、と思いました。
神の視点を得た松本人志。
これが頂点なのか、この上があるのか。映画監督・松本人志の描く「未来」に期待です。
（９月２７日 ＭＯＶＩＸ本牧にて）
（作品データ）
■監督
松本人志
■出演
男 ・・・ 松本人志
（その他のキャスト）
デヴィッド・クインテロ リリアン・タピア アドリアナ・フリック カルロス・トレス
ミステルカカオ ディック・東郷 佐々木大輔
■Ｌｉｎｋ
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