ザ・スピリット
The
ＳＰＲＩＴ
これは、「シン・シティ」や「３００」などのグラフィック・ノベル作者として知られるフランク・ミラーが、ウィル・アイズナーのコミックを映画化したもの。
フランク・ミラーは、映画版の「シン・シティ」ではロバート・ロドリゲスと共同監督し、その映像センスを見せてくれましたが、今回は、単独での監督デビューとなります。
謎の力によって、死神の抱擁から逃れ、不死身となった元警官のデニー・コルト。
彼は、愛する街セントラル・シティを守るため“スピリット”を名乗り、街を汚す悪と日夜戦っていた。
そんな彼の前に立ちはだかるのが、街を牛耳る悪党「オクトパス」だった。
ある晩、難破船に眠る財宝を「オクトパス」が狙っている、と言う連絡を警察から受け、現場に向かった“スピリット”は・・・
「シン・シティ」で魅せた、単なる映画化では無いコミックと映像との融合を見せる、フランク・ミラーのビジュアルは、自身で監督を務める事により更に進化。
そして、スカーレット・ヨハンソンをはじめに、ズラリと顔を揃えたハリウッドの美女たち。ノリノリで悪党を演じるサミュエル・Ｌ・ジャクソン。
弱点に思えるのは、主人公がステレオタイプの２枚目で、この強烈な世界観の中ではいささか凡庸に見えてしまう事でしょうか。
ただ、この映画、意外なくらいインパクトがありません。
それは、「シン・シティ」の後で、コミックと映像を融合させ、更に日本製アニメに学んだ緩急取り混ぜたアクションを実現した「３００」、「ウォッチメン」を観てしまっているから。
これら２作が観せた、エロスとバイオレンス。
このインパクトの前に、この「ザ・スピリット」はいささかお行儀がよく感じられてしまいました。
レイティングの問題があったとは思いますが、ここはもう少し羽目を外してもよかったのではないか、と思います。
これだけのハリウッドの名花を揃えたんです。少なくとも、「シン・シティ」くらいにはエロく描いて欲しかった所。
ラストはお決まりの続編への期待をさせるものでしたが、これはちょっと難しいのではないか、と思います。
（６月１３日 １０９シネマズＭＭにて）
（作品データ）
■監督
フランク・ミラー
■出演
デニー・コルト／“スピリット” ・・・ ガブリエル・マクト
オクトパス ・・・ サミュエル・Ｌ・ジャクソン
（その他のキャスト）
エヴァ・メンデス サラ・ポールソン パス・ヴェガ スタナ・カティック スカーレット・ヨハンソン
ルイス・ロンバルディ フランク・ミラー ジェイミー・キング
■コピー
最大の敵こそ、真実。
■Ｌｉｎｋ
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