重力ピエロ
これは伊坂幸太郎のベストセラーの同題小説を映画化したもの。
大学院で遺伝子の研究をする兄の泉水と、落書き消しの仕事をする弟の春。
彼らが暮らす仙台では今、放火事件が続いていた。
ある時、自分が消した落書きのすぐ近くで放火が起きていることに気付いた春は、犯人を突き止めようと兄を誘って張り込みを始めるが・・・
愛と罪によって生まれたこの家族は、愛と罪によって結びつき、そして縛られ続ける――愛と罪、悪と正義、家族と孤独・・・そして、生と死を描いた重いドラマ。
物語としては、そうしたしがらみから軽やかに開放される、と言う所を持たせたかったのかもしれないけれど、ちょっと描き切れていないと言うか、ちょっと焦点がずれているような違和感を感じました。
この映画は、人間を描いているけれど、それは決して暖かな人間ドラマではなく、犯罪にまつわる人間ドラマ。犯罪劇と言ってもいいでしょう。
（これをファミリードラマと思って入場した家族連れには厳しい内容でしょう）
放火、強姦、児童売春に殺人・・・犯罪被害者が、周囲から向けられる視線や、そのことで壊れていく人間関係など、ドロドロした愛憎劇の連続。
クライマックスのあれも歴とした放火殺人。
岡田将生の爽やかさと、小日向文世の飄々とした感じで、エンディングは爽やかにさえ感じさせているけれど、観終わった後、ちょっと後味が複雑です。
（５月３１日 ＴＯＨＯシネマズららぽーと横浜にて）
（作品データ）
■監督
森淳一
■出演
奥野泉水 ・・・ 加瀬亮
奥野春 ・・・ 岡田将生
奥野正志 ・・・ 小日向文世
奥野梨江子 ・・・ 鈴木京香
（その他のキャスト）
吉高由里子 岡田義徳 柏木陽 コッセこういち 樋渡宏嗣
鎌田隆 高橋貴光 渡邊裕子 渡部篤 熊谷知博 北村匠海
大野日南太 大谷英里 尾関伸嗣 Ｅｒｉｎａ ウッチー 中園栄一郎
大谷典子
■コピー
家族の愛は、重力を超える。
■Ｌｉｎｋ
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