おっぱいバレー
これ、タイトルからして、エロティックコメディか、と思っていると、これがかなり真っ当な青春スポ根モノ。しかも、実話を元にした物語なのだとか・・・
原作は、実話を元にした水野宗徳の青春小説。
それを「海猿」の羽住英一郎が映画化。
ヒロインは、若手女優の中でもおっぱいの存在感がある事ではトップクラスの綾瀬はるか。
１９７９年。
北九州の戸畑第三中学に赴任した新任教師の美香子は、男子バレーボール部の顧問を務めることに。
ところが部員たちはやる気ゼロ、「バカ部」と呼ばれ、周囲から白眼視されている状態。
そんな部員たちに、美香子は成り行きで「大会で１勝したらおっぱいをみせる」と約束させられてしまう。
色気付いたばかりの中学生のエネルギーは凄まじい。部員たちは、おっぱい見たさにがむしゃらに練習に打ち込み、めきめきと強くなっていく・・・
果たして綾瀬はるかのおっぱいは見られるのか!?
それは「見せられるわけ、ないじゃん!? 」と言う宣伝コピーで既に結論が出てしまっている訳ですが、それでも、そこは綾瀬はるかだけに、そこはかとなく期待させつつ物語を引っ張ります。
もっとも、映画としては、これは本格的な青春スポ根モノ、それも、パターンに忠実な映画です。
・・・つまり、はらの好きな映画で、これは感動するし、泣けるのも当然。
クライマックスの地区大会の様子も、ほぼ予想通りの気持ちいい展開でした。
美香子先生が駆けつけて、部員に言葉をかけると、見違えるように部員達が勢いつき、強敵を撃破する・・・お約束ですけど、これは痛快でした。
また、スポ根モノとして当然、若者が自分の道を定めて歩き出す、と言う成長物語がテーマになるのですが、これを部員達だけでなく、駆け出し教師の美香子の成長物語としているのも面白い構成だと思いました。
（これがまた泣ける、いい話なんですよ）
惜しいのは、部員達、６人の中学生の描き分けがいまいちで、ちょっとキャラが立ってないように思える事辺りでしょうか。
また、この映画、７０年代後半と言う時代の再現にも力が入っています。
音楽には、当時の歌謡曲が使われ、懐かしいメロディたっぷり聴かせてくれます。
実際、７９年と言うと、はら自身も中学生だった訳で、当時を思い出しながら懐かしい気分に浸ってしまいました。
ＣＧを多用する事無く、実際の街並みとオープンセットで再現された当時の様子も頑張っていますし、クルマ好きには、そうした街並みの中を走り回る７０年代のクルマに嬉しくなってしまう事と思います。
スポ根モノと言う好きなジャンルだけについつい見方が甘くなってしまいますが、これは傑作。
特に、映画の中学生たちと同じ時間を生きた同世代の人たちにはより楽しめるものになっていると思います。
（４月２４日 ＴＯＨＯシネマズ海老名にて）
（作品データ）
■監督
羽住英一郎
■出演
寺嶋美香子 ・・・ 綾瀬はるか
（部員たち）
平田育夫（キャプテン） ・・・ 木村遼希
楠木靖男 ・・・ 高橋賢人
城良樹（アタッカー） ・・・ 橘義尋
杉浦健吾 ・・・ 本庄正季
江口拓（センター） ・・・ 恵隆一郎
岩崎耕平 ・・・ 吉原拓弥
（その他のキャスト）
青木崇高 石田卓也 大後寿々花 福士誠治 小島藤子
斉藤リナ 小林勝也 三木敏彦 野田晋市 森下じんせい
光石研 田口浩正 市毛良枝 仲村トオル
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見せられるわけ、ないじゃん!?
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