南極１号伝説
ダッチワイフからラブドールまで・・・特殊用途愛玩人形の戦後史

高月靖

　これは、特殊用途愛玩用人形の歴史と、その開発に挑んだ男たちを描く異色のノンフィクション。

　タイトルにもなっている「南極１号」とは、丸１年、女性に縁のない南極観測隊員の為、南極に持ち込むべく政府が開発したダッチワイフのこと。
　その真偽の程も本の中では明かされますが、結構あっさり。
　あくまで、歴史の中のひとつのエピソードとして紹介されています。

　歴史に技術、開発者インタビューに、ヘビーユーザーの意見と、様々な視点から対象に迫る手法はノンフィクションとしては良識的ですし、紹介されるエピソードには興味深いものもいくつもあります。
　ただ、要点が絞れていないと言うか、全体論・一般論になってしまった感じで、確かに、一般には馴染みのないであろう世界だけに、全体を紹介しようとしているのは判りますが・・・ちょっとあっさりし過ぎてるように感じられました。

　とりあえず、こんな世界がある、と言う事を知るにはいいかもしれません。

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