「秘密」

東野圭吾
（１９９８　文藝春秋）

　映画「秘密」のラスト、これに何となくひっかかって、原作小説、「秘密」を読んでみました。

　ま、さすがに映画でビジュアルイメージが出来てるとさくさく読めるわな、ってなトコはさておき。

　映画では娘の藻奈美が１８歳の時に事故があって、母の直子の意識に入れ替わり、１９歳で直子が消える所までが（エンディングで２４歳で結婚、と言うのは付け足しとして）描かれるのですが、原作では１１歳で事故に遭い、１６歳で直子が消えるまでになっています。
　まぁ・・・これは広末を主役に据えた時点で、それしかやりようがない、と言うのは判ります。
　（原作通りにやろうとすると・・・前田愛・亜季の姉妹にでも演じさせるか？(^^;）
　ただ、原作の方が、娘の成長を通して母の心が移り変わっていく様を表現するには判りやすいのですが、これは、まぁ、表現媒体の差がありますから、仕方ない所でしょう。

　一番、気になっていた、結婚式に臨む時、果たしてそれは藻奈美だったのか、直子だったのか・・・は、原作でも、直子だった、となりますね。
　そうすると・・・直子は消えたのではなく、実は、直子自身が、藻奈美を演じていた訳で・・・やっぱり、女のしたたかさを感じてしまいます。

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