これは、結城真一郎による同題ミステリー小説を、Mrs. GREEN APPLEのギター・ヴォーカルである大森元貴と、timeleszの菊池風磨のＷ主演で映画化したもの。
　監督は「妖怪シェアハウス　白馬の王子様じゃないん怪」の豊島圭介。

　あるビルの警備室で、ＰＣ画面をのぞき込むふたりの男、鈴木と桐山。彼らは、生配信チャンネル「＃真相をお話しします」の配信を待っていた。
　そこで明かされるのは、有名人ゴシップや、未解決事件の報道されていない真相だった。話し手に選ばれた者は、真相の暴露と引き換えに視聴者からの投げ銭による高額報酬を獲得するのだ。
　幾つかの真相暴露の後、ついに警備室の男たちの出番となった。そこで語られた真相とは……

　この映画は、配信チャンネルで語られるエピソードが、独立した短編ドラマになっている、と言うオムニバス映画風の構成。選ばれた話し手の語る３つのドラマはいずれも意外な程の豪華なキャストを使って見応えのあるものとしています。
　そうして語られる物語は、これでチャンネルを閉鎖する、として配信側が語り出す、冒頭のエピソードに繋がる４つ目のドラマがそれまでの全てを巻き込んで、最後には映画を観ている観客にまで鋭い問いを投げつけると言うもの――これはなかなか凝った構成であり、最後の問いは、現代の風潮への批判性も持っています。ただ、映画としてはオープンエンドとなるものの、主人公に要らぬ葛藤をさせ、最後に観客の良心を信じるようにまとめているのがちょっと温い感じもしました……むしろ、この映画はバッドエンドオチとして、唾棄すべき現実を見せても方がよかったのでは、と――実際、幾人もの死人が出ているのが現実なのですから。

　Ｗ主演の大森元貴と菊池風磨は、２人共、映画主演は本作が初めてとなりますが、これが俳優デビューとなる大森元貴には驚かされました……ちゃんと物語に応じた演技を見せ、俳優として実に様になっているのです――なるほど、ジャンルは違えど舞台に立つアーティストとして、自分をどう表現するかと言う見せ方は承知している、と言う事でしょうか……
　

　（２０２５年　４月２５日　ムービルにて）

（作品データ）

　■監督

豊島圭介

　■出演

　鈴木　・・・　大森元貴

　桐山　・・・　菊池風磨

（その他のキャスト）
　中条あやみ　　岡山天音　　福本莉子　　伊藤健太郎　　伊藤英明　　秋元才加　　山中崇　　桜井ユキ
　柳俊太郎　　綱啓永　　田中美久　　齊藤京子　　原嘉孝　　大水洋介

　■コピー

さぁ、命の選択だ。

その真相の値段は？

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