イコライザー
ＴＨＥ　ＦＩＮＡＬ

　これは、デンゼル・ワシントンが元ＣＩＡの仕事請負人・イコライザーに扮するアクションシリーズ最終章となる３作目。
　監督は、本作でシリーズ全作を担う事になったアントワン・フークア。

　元ＣＩＡトップエージェントにして、１９秒で世の悪を完全抹消する“仕事”請負人、通称・イコライザーのロバート・マッコールは、シチリアでの事件で負傷し、アマルフィ海岸沿いの静かな田舎町の警官に救われる。町の人々は、よそ者であるマッコールを身内のように看病し、親しみをもってロベルトと呼んで接してくれた。
　そんな町と人々にマッコールは癒しと救いを感じ、ここ安住の地にするべく、イコライザーにとってのスイッチともいうべき腕時計を外すことを決意する――だが、小さなこの町にも悪の魔の手は忍び寄っていた……

　「イコライザー」の第三弾は、これはまるで”西部劇”――小さな町に流れ者がやって来る、町の人はみないい人なのだが、そこにならず者がやって来て、町の人を苦しめる。流れ者は一宿一飯の恩義で、町の人の為にならず者に立ち向かう……と言うもの。
　そんな定番とも言える展開で、冒頭の“仕事”で傷ついたマッコールの身体と心が癒される過程に重きを置いた今回は、アクション控えめ、人間ドラマをしっかり描いて行きます。それは、シリーズ最終章として、誰もが納得出来る終劇を生む準備であるのでしょうが……デンゼル・ワシントンも６０を過ぎて、身体動かなくなったのでは？とも感じてしまいました――マッコールはいつも“１９秒”で敵を片付けるのですが、今回、ラスボスには“６分”をかけました。

　尚、本作でデンゼル・ワシントンは「マイ・ボディガード」以来、１９年ぶりにダコタ・ファニングと共演しています。
　「マイ・ボディガード」では、当時９歳のダコタに、役者の心構えを説教されたと言うデンゼル・ワシントン、シリーズ終わりに、自ら「名優」と認める彼女との共演を望んだ、と言う事かも知れません。　
　

　（２０２３年　１０月　７日　にて）

（作品データ）

　■監督

アントワン・フークア

　■出演

ロバード・マッコール　・・・　デンゼル・ワシントン

（その他のキャスト）
　ダコタ・ファニング　　デヴィッド・デンマン

　■コピー

９秒で終わらせる――。

最強の最速の最後。

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