我が人生最悪の時

　これは、横浜を舞台に、私立探偵が様々な事件に巻き込まれる様を描く無国籍風アクション。“私立探偵　濱マイクシリーズ”として、本作を含む映画３本、後日ＴＶドラマ化もされ、永瀬正敏の代表作となる人気シリーズの第一弾。
　「アジアン・ビート　アイ・ラブ・ニッポン」の企画・原案・プロデュースを経た林海象が台湾のスタッフの協力を得て監督しています。

　横浜・黄金町にある映画館の２階に事務所を構える探偵・濱マイク。ある日、ケンカから助けた台湾人の楊海平に、日本にいる兄の捜索を依頼された。
　マイクはタクシー運転手で情報屋の星野と共に捜査を進めていくが、背景にアジア系外国人で構成されている黒狗会と台湾マフィアの抗争があること、その組員の一人が海平の兄であることが分かる。師匠の宍戸と妹の茜は深入りしないようマイクに忠告するが……

　濱マイクの事務所のあったのは、横浜・若葉町の日劇。私が行きつけとしているシネマジャック＆ベティの向かいで、２００５年に閉館し、今はマンションとなっています。
　（マイクの事務所に向かう階段の踊り場にあった映画看板は、今は映画の状態のままシネマジャック＆ベティに飾られています）
　そんな今から３０年前の横浜の街並みを懐かしく思いながら映画を観ました。

　映画は、これは本格的な探偵モノで、ハードボイルド。余計な事は喋らない、説明もしない、と言うのが今となっては新鮮です。
　主演の永瀬正敏は、細くて小僧っぽさ全開で、今とは隔世の感がありますが……まぁ、それから３０年も経っているのだから、自分も歳を取る訳です。（実は永瀬正敏とは同い年）
　宍戸錠が、「エースのジョー」として登場するなど、遊びも楽しく、舞台設定も魅力的……なるほど、これは人気シリーズになる訳だ、と今更ながら納得をしました。　
　

　（２０２３年　８月１６日　シネマジャック＆ベティにて）

（作品データ）

　■監督

林海象

　■出演

濱マイク　・・・　永瀬正敏

星野　・・・　南原清隆

楊海平　・・・　楊海平

（その他のキャスト）
　佐野史郎　　侯徳健　　修健　　麿赤児　　塚本晋也　　梶原善　　阿南健治　　近藤芳正　　宮地雅子　　大嶺美香
　宍戸錠　　南果歩

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