ミッション：インポッシブル
デッドレコニング
ＰＡＲＴ　ＯＮＥ

　これは、「スパイ大作戦」を、トム・クルーズ主演でリメイクしたアクション大作「ミッション：インポッシブル」シリーズの第７作目。
　監督は本シリーズ３作連続して監督を務めるクリストファー・マッカリー。共演は、常連のサイモン・ペッグ、ヴィング・レイムス、レベッカ・ファーガソンに加え、前作から参加したヴァネッサ・カービー、初参加のヘイリー・アトウェル、ポム・クレメンティエフと、相変わらずの豪華キャストです。

　ＩＭＦエージェント、イーサン・ハントに課せられた新たなミッション――それは、ある“鍵”を敵対勢力の手に渡る前に手に入れる事。
　しかも、ＩＭＦ所属する前のイーサンの“逃れられない過去”を知る“ある男”が、敵方の手先となって迫り、イーサンたちは命を懸けた攻防を繰り広げるが――

　トム・クルーズの身体を張ったアクションがウリの本シリーズですが、本作でも、もう還暦のトム・クルーズが、走る、走る、走る――バイクでも、クルマでも、自分の足でも。
　今回も、砂漠での攻防に始まり、市街地での激しいカーチェイス、雄大な山々を背景にした断崖絶壁からのバイクジャンプ、激走する列車上での格闘……と、見せ場の連打で、全く飽きさせる事がありません。
　映画は、そんなアクション満載、コメディ控えめ（これもまたトム・クルーズのせいでしょう）、物語弱め。そして、本作では、ロマンスも控えめ……ではあるのですが、トムが見つめただけで、敵方の女殺し屋もそれだけで寝返る“トム様無双”っぷりも健在ではあります。

　しかし、それにしても長い――この映画、１６０分以上あるのです。勿論、豪華な作り込みで飽きさせすに見せるのですけど、さすがに、アクション偏重ではないのか、と――それでも、アクションの魅力で、面白いは面白い、のですが……

　そして、今回の敵は「ＡＩ」……「ミッション：インポッシブル」らしからぬ敵ではありますが、現実に、映画製作におけるＡＩの導入に俳優と脚本家が反対してストライキ続けている現在、映画へのＡＩ、そして、ＣＧ導入に抵抗を示し。アクションは全部自分でやる、修正もしない、と言うトム・クルーズの戦いっぷりはなかなかにタイムリーなもの、との思えてしまうのですが……　
　

　（２０２３年　７月２６日　Ｔ−ＪＯＹ横浜にて）

（作品データ）

　■監督・脚本

クリストファー・マッカリー

　■出演

　イーサン・ハント　・・・　トム・クルーズ

　イルサ・ファウスト　・・・　レベッカ・ファーガソン

　ベンジー・ダン　・・・　サイモン・ペッグ

　ホワイト・ウィドウ　・・・　ヴァネッサ・カービー

（その他のキャスト）
　ヴィング・レイムス　　ヘンリー・ツェーニー　　ヘイリー・アトウェル　　ポム・クレメンティエフ　　イーサイ・モラレス　　シェー・ウィガム
フレデリック・シュミット　　グレッグ・ターザン・デイヴィス　　ケイリー・エルウィズ　　　ロブ・ディレイニー　　チャールズ・パーネル

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