「ファイト・クラブ」

　ブラッド・ピットの話題の映画、「ファイト・クラブ」を観て来ました。

　監督は、「セブン」のデビット・フィンチャー。
　出演は、ブラッド・ピットの他に、エドワート・ノートン、ヘレン・ボナム・カーター。
　物語は、自動車会社に務めるうだつの上がらないサラリーマン、ジャック（エドワート・ノートン）を語り手にして始まります。
　深刻な不眠症に悩むジャックは、ある日、タイラー（ブラッド・ピット）と言う男と出逢う。
　そして、ガス爆発事故で自宅を失ったジャックは、何故かタイラーを頼り、奇妙な同居生活を始める事になる。
　ふたりは酒場で、ふざけ合って始めた殴り合いをきっかけに、”ファイト・クラブ”と言う男だけの秘密クラブを作る。
　秘密の筈なのに、新規メンバーは続々と増え、”ファイト・クラブ”は、やがて、社会的テロ行為を行う秘密結社へ変貌して行く・・・

　映画は２時間以上あるのだけど、長さをまるで感じさせない。
　まるでジェットコースターのように、あれよあれよと言う間に物語が展開して行く感じです。
　最終部分でちょっと失速気味だったのが残念でしたけど、物語に乗れれば面白い映画だと思います。

　この映画、バイオレンス映画・・・と言うよりは、心理ドラマを主軸としたファンタジーですね。
　特に、後半、急速にサイコ・ミステリーの色合いを強めていくのですが・・・この辺はあまり上手く行ってない感じもしました。

　この映画、危険な匂いがプンプンしています。
　ホモセクシャルティと言うか・・・そこまで行かなくても非常に男臭い絵造りを始め、閉塞感からの解放が、暴力と破壊衝動の放出と言うのは・・・ちょっと、と感じてしまいました。
　（勿論、破壊衝動は多くの人が持っている訳で、それ故に「危険だ」と思うのです）
　その他にも、人の脂肪から作った石鹸とか、鼻血、吐瀉物、流れ落ちる脳髄、ホテルのディナーに混入される尿、と、人の神経を逆撫でするような描写が連続します。
　この辺に、生理的に嫌悪感を覚える人も少なくないでしょうね。

　こんな部分もあって、この映画、観る人を選ぶと思いますが、エンディングに奇妙な開放感とカタルシスを覚えたせいもあって、私的には悪い印象は受けなかったです。

　（１２月３１日　横浜・相鉄ムービルにて）

[戻る]