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ダイアナの決意

　これは、「トワイライト」シリーズのヒロイン、クリステン・スチュワートがダイアナ元皇太子妃を演じる心理サスペンス。
　監督は、「ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命」のパブロ・ラライン。

　１９９１年、クリスマス。
　ダイアナ妃とチャールズ皇太子の夫婦関係は冷え切っていた。王族はクリスマスをエリザベス女王の私邸サンドリンガム・ハウスで祝うのが慣わしなのだが、イブからの３日、チャールズと顔を合わせるのはダイアナにとって苦痛でしかなかった。
　追い詰められたダイアナだが、彼女の故郷でもあるサンドリンガムで、今後の人生を決める一大決心をする事になる……

　先日、ドキュメンタリー映画「プリンセス・ダイアナ」で、ダイアナ妃を見たばかりなので、比較すると、やはりクリステン・スチュアートは細いなぁ……また、顔立ちはあまり似ていない、と思うのだが、物憂げな表情やまなざしなど、この時期のダイアナ妃とイメージが重なる部分もあり、映画は思ったより違和感なく観られました。
　ただ、クリステン・スチュワートは、元々、役を作り込まず、素の自分を出す芝居が多いのですが、いくら何でも、プリンセスが「ファック！」と悪態つかないでしょう……そこは素のまま出しちゃいけない台詞ではないか、と……

　物語は、ダイアナが王室と決別する決断をするまでを描くのですが、そこに至る、追い詰められて、不安ち不眠の中で幻想を見るに至る辺りで、物語は史実を離れてサイコ・ホラーに近接して行く……ロマンティック・ホラーの「トワイライト」で売り出し、自身お気に入りの出演作は「パーソナル・ショッパー」だと言うクリステン、やはり、ホラー好きだなぁと思わされました。
　
　それにしても、王室の決別を宣言する、狩場でのエピソード、この大がかりな舞台は、実はほぼ史実通りと言うから大変なもの――さすがは英国王室と言う所ではありますが……
　ラストには解放感もありますが、その後の事を知るだけに、何とも言えない気分になりました。　
　

　（２０２２年　１０月２４日　Ｔ−ＪＯＹ横浜にて）

（作品データ）

　■監督

パブロ・ラライン

　■出演

　ダイアナ　・・・　クリステン・スチュワート

　チャールズ　・・・　ジャック・ファーシング

（その他のキャスト）
　ティモシー・スポール　　サリー・ホーキンス　　ショーン・ハリス

　■コピー

私の道は、私が決める。

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