ローラとふたりの兄

　これは、俳優としても活躍するジャン＝ポール・ルーヴによる長編監督4作目。
　主人公のローラを「スイミング・プール」のリュディヴィーヌ・サニエ、その２人の兄を、「ボン・ボヤージュ　家族旅行は大暴走」のジョゼ・ガルシアと、ジャン＝ポール・ルーヴ監督自身が演じる。

　弁護士のローラには、眼鏡士のブノワと、解体業者のピエールと言う２人の兄がいる。
　ブノワの３度目の結婚式で、大遅刻をしてきたピエールの失礼なスピーチが原因で兄弟喧嘩が勃発。しかも、ピエールは深刻な仕事のトラブルを抱え、また、新婚早々ブノワは妻とすれ違うことに。
　一方、ローラは、離婚調停の依頼人だったゾエールとの恋が始まって……

　これは、めんどくさい兄ふたりから愛されまくりの妹、と言うちょっと変わった家族と兄弟の物語。
　変にプライドが高く、本心を明かさないピエールも相当めんどうな人物ですが、あちこち完全にズレまくってるブノアの方が困った人だ。映画は、そんな２人が巻き起こす騒動をコメディ仕立てに描き、しっかり者の妹と対比させて描きます……言うなれば、寅さんが２人いるさくら、と言う図式。
　ただ、ジャン?ポール・ルーヴ監督は、コメディのセンスが今ひとつで、笑える、と言うよりも困惑する感じのエピソードが多かった――これが、狙っているのか、或いは監督自身が演じるブノワ同様、ちょっとズレてる人なのかは判らないですけど……
　でもまぁ、めんどくさかろうが、困ったものだろうが、それでも結びついているのが家族であり、兄弟と言うものでしょうか……

　ローラを演じるリュディヴィーヌ・サニエは、「８人の女たち」での大女優に囲まれた可憐な少女、と言う印象が強く、そんな彼女も最早アラフォー？とびっくりもしたのだけど、そうか、あれから２０年も経つか、と思ってしまったり……　
　

　（２０２２年　３月　７日　シネマジャック＆ベティにて）

（作品データ）

　■監督

ジャン＝ポール・ルーヴ

　■出演

　ローラ　・・・　リュディヴィーヌ・サニエ

　ブノア　・・・　ジャン＝ポール・ルーヴ
　ピエール　・・・　ジョゼ・ガルシア

　ゾエール　・・・　ラムジー・べディア

（その他のキャスト）
　ポーリーヌ・クレマン　　フィリピーヌ・ルロワ＝ボリュー　　フラン・ブリュノー　　ガブリエル・ナカーシュ

　■コピー

家族も、人生も、
ままならなくていとおしい。

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