グランパ・ウォーズ
おじいちゃんと僕の宣戦布告

　これは、部屋の占有を巡って祖父と孫が闘うコメディ映画。
　監督は「アルビン　歌うシマリス３兄弟」のティム・ヒル。
　
　妻を亡くしてひとり暮らしを続けて来たエドは、怪我をきっかけに娘のサリーの家族と一緒に暮らすことになる。
　中学生になったばかりの孫のピーターは、エドに部屋を明け渡して屋根裏部屋に移らされたのが不満で、同級生に焚き付けられた事もあって、エドを追い出すために手紙を書いて宣戦布告、部屋を明け渡すようにあの手この手で攻撃をしかける。
　子供のイタズラの域を超えた攻撃に激怒したエドは、応戦を決意してピーターとの全面戦争に移行し、やがて、家族を巻き込む大騒動へと発展していく……

　この映画、主演がロバート・デ・ニーロ、その娘役がユマ・サーマンが演じるのに加え、ロバート・デ・ニーロとは「ディア・ハンター」以来の共演となるクリストファー・ウォーケンが出演する、と言う、アカデミー賞でも狙うかのような豪華キャストとなっています。
　しかし、その内容は毒気のないホーム・コメディに終始。あまりにベタで、古臭いギャグの数々も、ポリコレに牙を抜かれてＴＶのコメディ番組の如く、と言う体たらくで、よくもまぁ、この内容でデ・ニーロがオファーを受けたものです――ただ、それでも「戦争」についてだけは、アメリカ映画だけに妙に真面目で、宣戦布告に始まり、交戦規定の取り交わし、そして戦争とは本来不毛なもので、そして、始めるよりも終わらせる事が難しい、と言うことを、それこそ子供に判るように描いているのには少し感心しましたが。

　それでも、デ・ニーロはなかなかの好々爺ぶりを見せ、時に身体を張り、全力で役に取り組んでいるのが見えるのが好印象。
　これからは、こうした役も増えて行くのでしょうか……？　
　

　（２０２１年　４月２３日　Ｋｉｎｏシネマ横浜みなとみらいにて）

（作品データ）

　■監督

ティム・ヒル

　■出演

　エド　・・・　ロバート・デ・ニーロ

　ピーター　・・・　オークス・フェグリー

　サリー　　・・・　ユマ・サーマン

（その他のキャスト）
　ロブ・リグル　　クリストファー・ウォーケン　　チーチ・マリン　　ジェーン・シーモア

　■コピー

やられたら、
　やり返せ！

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