ＧＨＯＳＴ
ＭＡＳＴＥＲ
ゴーストマスター

　これは、第２回ＴＳＵＴＡＹＡ　ＣＲＥＡＴＯＲ’Ｓ　ＰＲＯＧＲＡＭ準グランプリとなったホラー映画。
　監督・脚本は、オムニバス映画「人の砂漠」のヤングポール。出演は、三浦貴大に成海璃子。

　人気コミックが原作の恋愛映画「僕に今日、天使の君が舞い降りた」の撮影現場でこき使われている助監督・黒沢明。
　主演俳優がクライマックスの演技で悩んでしまい、撮影は中断。監督は怒り、スタッフが現場から消える中、黒沢はひとり事態の収拾に駆け回るのだった。
　黒沢は、いつか自分が監督しようと書いた、映画「ゴーストマスター」の脚本を肌身離さず持っていたが、そんな現場で、黒沢の不満が脚本に悪霊を宿してしまい……

　これもまた、「映画を作る映画」。
　映画製作の裏側を見せるだけでも映画ファンにとっては楽しいのに、主人公の黒沢明（この名前で映画業界にいたらイジられるの必至）が、トビー・フーバーの「スペース・バンパイア」に心酔するＢ級ホラー映画オタクと言うのがまた……そんな黒沢が、トビー・フーバーを侮辱されてキレて、
　「トビー・フーバーに謝れ」
　から始まって、名監督の名を次々に挙げるのだけど、タランティーノは除外されてしまう、と言うのにはウケました。

　内容としては、いささか趣味の悪いスプラッターホラーなのだけど、これをホラー・コメディとして見せる監督のセンスもあって、ホラー度合いは弱め。
ラストもひとひねりしてあって、ホラー映画が苦手な私でも最後まで楽しめました。

　ただ、最後の映像は、スクリーンじゃなく、ＴＶモニターのものだよなぁ……まぁ、ＴＳＵＴＡＹＡのコンテスト応募作だから、その辺は仕方ないのかも知れませんが“映画”の話であるのなら、ここはスクリーンにこだわって欲しかった所です。　
　

　（２０１９年　１２月　７日　シネマジャック＆ベティにて）

（作品データ）

　■監督・脚本

ヤングポール

　■出演

　黒沢明　・・・　三浦貴大
　
　渡良瀬真奈　・・・　成海璃子

（その他のキャスト）
　板垣瑞生　　永尾まりや　　原嶋元久　　寺中寿之　　篠原信一　　川瀬陽太　　柴本幸
　森下能幸　　手塚とおる　　麿赤兒

　■コピー

究極の映画愛

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