やっぱり契約破棄して
いいですか!?
DEAD IN A WEEK

　これは、売れない小説家の青年と落ちぶれた殺し屋が繰り広げるサスペンス・コメディ。
　殺し屋を「否定と肯定」の名優、トム・ウィルキンソン、小説家の青年を「ダンケルク」のアナイリン・バーナードが演じています。
　監督は、本作で長編映画デビューとなるトム・エドモンズ。

　執筆した小説が落選続きで、人生に絶望して自殺未遂を繰り返すウィリアムは、仕事に失敗続きでクビ寸前の老いた殺し屋、レスリーに一週間以内に自分を殺してもらう契約を結ぶ。契約は、期間内に殺せなければ返金する、と言うものだった。
　しかし、突如ウィリアムの前にキュートな女性編集者エリーが現れて彼の小説を出版したいと言う。出版に向けて話し合うふたりは急速に惹かれ合い、生きる希望が湧いて来たウィリアムだったが……そんな彼をレスリーの銃弾が襲う。
　こうして、ウィリアムとレスリーの人生を懸けた一週間の幕が上がった……

　これは「死にたい男」と「辞めたくない男」が出会った所から始まるブラックコメディ。
　言い換えれば、社会から脱落したから死にたくなり、社会から脱落しそうだから必死、と言うふたりが出会い、その立場が変わる事で生じるドタバタを描くもので、これは日本人にも判り易い……と言うか、社会と言うものを重く考える日本人にこそ、切実に感じられるテーマではないでしょうか？

　ただし、この映画、出来としてはいまひとつの感じ。面白いシーンはあるものの、テンポが悪く、サスペンスも盛り上がらないのです。
　ラストもちょっと発散気味で、もっと面白くなりそうなのに、あと少し、と言う部分がもどかしい映画でした。　
　

　（２０１９年　９月１９日　川崎チネチッタにて）

（作品データ）

　■監督

トム・エドモンズ

　■出演

　レスリー・オニール　・・・　トム・ウィルキンソン

　ウィリアム・モリソン　・・・　アナイリン・バーナード

　エリー・アダムス　・・・　フレイア・メイヴァー

（その他のキャスト）
　マリオン・ベイリー　　クリストファー・エクルストン

　■コピー

クビ寸前の殺し屋
　　　　ＶＳ
死にたい小説家

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